水がめ座ダイアリー

Trip note 48-07 | London  2019.05.27



大英博物館の話の続きです。

時間があったので(なんなら有り余らせていたので…)、次はイスラム美術の展示室へ。



rytasは、私が旅先に選んだ国々を歩きながら見つけてきた品々を並べるお店なので、究極的には世界のどこの国や地域の品物も並ぶ可能性があるわけですが、旅先として訪れたことのない国がまだまだ沢山あります。

イスラム文化の国々も、そんな「未開の地」のひとつ。ロシア語のキリル文字と同じように、使われているアルファベットがどう読むのか、何を表すのか、想像すらつかない国々ですが、美しいものが沢山生まれた大地と歴史。

遠く離れた世界のことを、少しだけ想像しながら見て回りました。



幾何学模様を中心とした美しいタイルの展示。極度の乾燥と灼熱の大地。そんな厳しい風土に暮らす人々が生き抜くために拠り所とした神への信仰心。それらはやがて、「装飾する魂の萌芽」(「世界のタイル博物館/LIXIL」より)となり、イスラム美術の美しさの源にあるようです。




「ラスター彩獣文星形タイル」を熱心に模写する男の子。ものすごい集中力。私も近づいて見てみたかったけれど、邪魔しないように後でもう一度見ることにしました。



壺やお皿なども、とても素敵でした。

この写真のフラスコ様の壺には、ペルシャ語の愛の詩が一面に描かれています。遊牧民と、定住コミュニティに生きる人々との繋がりを表すのだそう。

その詩には「彼女がこの壺で口になにか含み、唇にこの絵が触れたとき、この詩に気づき、私のことを考え、また愛を受け取ってくれると信じてこの詩を残す」というようなメッセージが描かれています。おそらく遊牧民である男性側からの視点で作られたものでしょうか。なんというロマンティック……13世紀の作品です。



思うままに展示室を移っていくと、今度は西洋美術のスペースへ。


象牙や珊瑚、貝など、自然の素材に施された風景や動植物たち。それから祈りを込めて作られた奉納や身につけるための美術品。こちらは18世紀から19世紀に作られたもので、気が遠くなりそうな細かなデザインに言葉を失うような気持ち。





鉛が含まれるため、今では使われることがなくなった鮮やかな黄色の絵の具を使ったガラス器や陶器も、たっぷりと展示されていて、なかには「こんな古くから作られていたのか…」と驚くものも。あと、19世紀ですら新しいもの、と錯覚してしまいそうなときもありました。一部の絵の雰囲気は、16世紀にはすでにあったのだな…とか。



贅沢極まりないことですが、そろそろ集中力の著しい低下が認められることよ……(つまり空腹)と、帰ろうとしたら、あの男の子はまだ熱心に模写を続けていました。





展示室を移動するときも、どこに目を向けても美しさが感じられる館内。
でも私はもうお腹空いたよ……というわけで、テムズ川の向こうにある「REGENCY CAFE」にゴー!

(続く)

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