水がめ座ダイアリー

07-06-23|雑貨でめぐる6ヶ国|ラトヴィア  2007.06.23



どんなものも声高らかにその存在を示していた民芸市において、
このスプーンは何も語らず寡黙にそこにあるだけで、だからこそ、気になりました。
悩んで悩んで、一本だけ選んで、あと間抜けな顔をした木彫りの犬も買いました。

青いビニールのシートの上に何本も「ただ」並べてあるだけ。
聞かれたことにだけぽつぽつと答える老夫婦が印象的で、
疲れた体をベッドに横たわらせながら買ったスプーンをずっと撫でていました。

勝手な想像は一夜のうちにむくむくと膨らみ、
きっとおじいさんはこの日のために毎日作ってきたんだろうな、
なんて考えたらもうだめで、明日も必ず行かなくちゃ、と誓って眠りにつきました。




…で、こちらがその老夫婦(二日目版)。一日目とまったく同じ服装。
はぁ素敵、と今でもこのおじいちゃんとおばあちゃんを思いだすと胸がキュンとなります。
二日目は何本も買って、そのうちの一本はアルバイト先へのおみやげにもなりました。
渡すたびにこの老夫婦の朴訥さについて熱心に話し、
各呼称は「朴訥スプーン」「朴訥おじいちゃん」「朴訥ヘラ」などなど。
来年もこのおじいちゃん・おばあちゃんに会いに行きたい!…と今から息巻いています。



民芸市では古い民謡や踊りも楽しみました。
森がまるごと舞台になっていて、ときどき遠くから鳥のさえずりが聞こえてきたり、
それはそれは、素晴らしいひとときでした。
すれ違う誰もが笑みを浮かべ、手にはこれぞと選んだ「今年のカゴ」
(とかストールとかあれこれ)を持ち、疲れた人は森の木陰でひと休み。

まるごと伝えるにはどうしたらいいのだろう?
そんなことを考えながら、祭りの森を後にしました。



こちらはポストカードにもなっているというカラフルなおうち。
レストランになっているようです。
この近くだったか、とんがり屋根の上で猫がぐーんと伸びをしている像があって、
私とゆみちゃんは滞在中その傍を通るたびに「にゃんこ先生に敬礼!」と言ってふざけ合っていました。
最終日頃にはそれにも飽きて「もういいよ、にゃんこ先生なんて」とか「先生に怒られるよ!!」とか、
そんな遊びがばかばかしいほどに楽しかったです。

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